世界No.1の総長と一輪の花 両想いバレンタイン(詩優side)
すぐに校舎内に入ると途端に花莉は大人しくなった。今は授業中で、校舎では授業をやっているからだろうか。
大人しくなったのはいいけど……花莉は俺のジャージを強く掴んで泣いていて……。
俺の心の中は後悔で埋め尽くされた。
階段をのぼって、おりて、走ってを繰り返したらもう追っ手は来ていない。
うまく撒けたか…。
これからどこ行くか。いつもの空き教室か?でも、こっから遠いし……
こっから近い保健室でいいか。
あとは人がいないことを祈るだけ。
保健室の扉の前に行けば、少し扉が開いていた。
…誰かいんのか?
足音を立てないようにして、ゆっくり覗き込む。
使われていないベッドに、静かすぎる空間。人の気配も感じないから、幸い中には誰もいなさそう。
保健室へと足を踏み入れて、花莉をベッドの上におろす。
それから念の為、ベッドの周りのカーテンを閉めた。
「…花莉」
泣きじゃくる彼女の名前を呼ぶと
「…浮気者……」
俯いて小さな声で呟く。