世界No.1の総長と一輪の花 両想いバレンタイン(詩優side)
封筒の表には“花莉へ”と書かれていた。
書いてある字はまるっこくて、女の字みてぇ。
…つーか親しげに名前で書いてんじゃねぇよ。
封筒の裏には、残念なことに誰の名前も書いていない。
けど…
赤いハートのシールが貼ってある。
は?
ふざけてんのか?
ふつふつと込み上げてくるのは苛立ち。
別に花莉がモテるのは今に始まったことじゃねぇ。
入学式の時から花莉を狙う男はたくさんいた。俺ら雷龍が目を光らせて花莉を守ってるから普段彼女に声をかける男がいねぇだけで、彼女のことを好きな男がいなくなったわけではない。
……それはわかってる。
けど…
ぐしゃっと手紙を丸めて捨てたい気持ちを我慢して、封筒から便箋を取り出した。