続・闇色のシンデレラ
SIDE 凛太朗



「お前には基本的に雑用をしてもらう」

「はいっ」



上ずった声で返事して、説明された事柄を徹底的に頭に叩き込む。


朝は生け垣の水やりに始まり、廊下の雑巾がけ、部屋の掃除、ゴミ捨て、便所掃除と、マジで雑用ばっかり。


けどこんな立派な屋敷に置かせてもらうんだから文句なんか言えない。



「……なんだ」

「な、なんでもないっす」



文句なんて、このおっかない顔の剛という男の前では言えるはずがない。


『剛さんは優しいよ』なんて壱華さんは言ったけど、いささか信じられない。


だいたいこの人、拳銃を持った俺を押さえつけた男だし。


あのときの剛さんの恐ろしさに震えつつ、これから厨房に向かうというところ。




「剛～！」



とつぜん、幼い声が辺りに響いた。



「……こんなときに」



それを聞いた剛さんは深くため息を吐いた。
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