続・闇色のシンデレラ
キャーキャー言いながら現れたのは、小学校低学年くらいの子ども。


突っ走ってくるそいつは何をするのかと思えば───



「とつげきー!」

「ぐほっ……」



ヤクザの中のヤクザな強面の外見をした剛さんに突進した。


……このガキ、勇者だ。



「……息子さんっすか?」

「俺の子じゃない……」



自分の子だから抱きつかれるのを許したのかと思ったが違ったらしい。


じゃあ誰の子なんだ。



「ああっ、アニキ!すんません!」



唖然としていたら、板前の格好をしたでかい男が慌ただしく現れた。



「力、どうにかしてくれ」



剛さんが力と呼ばれる男に不平を漏らす。


するとガキはぱっと離れて俺の服の裾を掴んだ。



「おれ剛にメイワクかけてないよ。このお姉ちゃんと遊んでもらうんだもん」



お姉ちゃん?



「……男だよ、俺」

「え?お兄ちゃんなの?」

「男ぉ!?女かと思った!」



告白すると目をキラキラさせる子どもと目をくわっと見開く『力』という人。


俺、そんなに女々しいのかな。なんかショックだ。



「お前、新顔だな。気をつけろよ、男好きの組員いるから、なよなよしてたら狙われるぞ」

「げっ……はい」



落ち込んでいたら別の意味でショッキング。そしてぞわりとした。


とりあえず、男らしく見えるように髪を短く切ろうと思う。
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