続・闇色のシンデレラ
車内に乗り込むと車はすぐ出発した。

なんとなく喉が乾いたと思い、持ってきていたお茶を飲む。


「で、壱華」


するとおもむろに志勇が口を開いた。





「俺のケーキはねえの?」





「ぶふっ……!」



その問に思わず、口に含んだお茶を吹き出した。

剛さんの車なのにと罪悪感に駆られながら、不幸中の幸いかただのお茶でよかったと咳き込む。



「ゲホッ、ケホッ……なんで知って……!」

「凛太郎だよ。あいつは壱華と関わることが多いから、なんかあったら逐一報告するように命令してんだ」

「そんな、凛まで志勇の毒牙に……」

「おい、言い方」



なんで知っているんだろうと思ったらそういうことか。

凛も狼の牙にかかってしまっていたのか。



「独占欲強いからね~、仕方ないよ。まあ、兄貴に盗聴器しかけられたりするよりはいいと思って?」



そのタイミングで助手席の颯馬がふとこぼした。

……盗聴器?



「え……そんなことしようと企んでたの」

「あくまで卓上の空論だ。本気でしようとは思ってねえよ。……おい、本気で引くのやめろ」

「ドン引き……」

「思っても口に出すな、傷つくだろうが」

「……」

「その顔で見るなよ。本当に実行したわけじゃないからいいだろ」

「……変態」

「……」
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