続・闇色のシンデレラ
つらつらと言葉にして後悔した。なんて面倒なことを言ったんだろう。

メンヘラ、こんな表現が今のわたしによく似合う。

めんどくさくて扱いづらい、志勇が最も嫌う類のタイプだ。

だけど志勇は黙ってわたしを抱きしめ、背中を一定のリズムでぽんぽんするだけだった。


「なんで何も言わないの?」


さらにめんどくさい追い討ちをかけると、志勇は「フッ」と息を吐くように笑った。

え、笑った?



「やっとそういうの吐き出せるようになったか」

「……は?」



驚いて顔を上げると志勇は満足げに笑みを浮かべていた。

なんで笑うの?



「大人じゃないのに背伸びして無理に自分を作ってたのは分かってた。
その癖は俺が口出しても治るもんじゃねえってこともな。
10代のくせにやけに落ち着いてる優等生タイプだったからな。
ストレスに対してのそういうはけ口が見つからなくてひとりで悩んでたんだろ」



わたしのこと分かりきったみたいに言う口調にムッとするも、まさに図星だった。

どうして何もかもお見通しなんだろう。

わたしは分からないこと、まだまだたくさんあるのに。



「……だってどうしようもなかったから。
自分じゃない自分を演じてでも、志勇の周りの人に好かれたかったし、志勇の隣にいること、認められたかった」

「壱華の世界は俺を中心に回ってんだな」

「もう、なんでそうやっていつも話をはぐらかすの!」

「だって嬉しいんだよ。お前が悩むのはいつも俺が原因だ。俺のために悩んで泣く姿が可愛くってかわいくて。
お前が泣くほど悩むのに俺はそれが嬉しいんだ。
なんて、こんなこと言ったら怒るだろ?」

「……気持ち悪いくらい変態だよね」

「あ?こんな感情、一生お前にしか覚えねえんだ。
どんな感情だろうと愛しくて愛しくてたまらない」
< 264 / 372 >

この作品をシェア

pagetop