続・闇色のシンデレラ
「にしても無事に産まれてよかった。あの助産師に言う通りにしたら今頃大変なことになってたな」

「別にいいよ、なんとかなったし」

「いや、俺が許さない。あの中年の助産師はクビだな」



志勇はさっきの助産師さんがよほど許せなかったのか、怖い顔して呟く。



「わあ、指ぎゅっとしたよ。可愛いねぇ」



そんな志勇の心境を変えようとわざとはしゃいでみた。

すると志勇は表情を変えてこっちを見た。



「そんなカリカリしないで。ほら、パパも抱っこする?」

「パパ言うなって」



そう言いながら嬉しそうに絆を抱く志勇。

ぎこちなく両手で抱くと幸せそうに笑った。



「可愛い……」



目に焼きつけるように息子を見て微笑む。その表情は優しくて綺麗で、嬉しくてたまらない。



「壱華、どうした」

「なんか、感動が今来た……」



勝手に涙がこぼれて、幸せで──この人と出会えたこと自体幸せだったんだって、改めて感じた。
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