続・闇色のシンデレラ



あの思い出深い絆の出生から1年が過ぎた。









「あれ?」



さっきまで部屋でおもちゃでひとり遊びしていた絆の姿が見つからない。

まさかと思い玄関から外に飛び出すと。



「壱華さん、また絆脱走してましたよ!」

「壱華!おれがみつけたの!ほめて!」

「あー、よかった!ありがとうふたりとも。いつもごめんね」



この1年で15cmも背が伸びた凛太郎が絆を抱き上げ、5歳になった憂雅くんがふふんと鼻を鳴らした。

それにしてもちょっと目を離した隙に家から飛び出すなんて。

歩けるようになってからの子どもの行動を完全に見くびっていた。

1歳を過ぎて立てるようになった絆はとても動きが素早い。

本当にちょっと目を離すと大変なことになる。



「まま、まんま」



当の本人は凛太郎の腕の中でよだれをたらして、小さな歯をのぞかせニコニコ笑っている。

最近絆は、ままとまんまという言葉を覚えた。

何に対してもまま、まんまと満面の笑みでいうものだから大人なちはみんな絆のかわいさの虜だ。
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