ストレンジ
探す必要はほとんどなかった。
数メートル先に小太りの人がいるのが見えた。おそらくそこにいる人物が僕を笑った………
「って……え?」
スーツを着た小太りの男性は、小さな女の子を肩車している。
「君が転校生ですね?」
小太りの男性がしゃべった。小太りっていうか、太ってるけど。
「高橋陸です……。よろしくお願いします……」
「あははっ!りく!変!」
変……!?
僕が?
「こ、校長……!また失礼なことを……!!」
「え……?」
校長?誰が?
僕難聴になったかも。
「きゃははっ!きょーとーが怒った!だまれハゲェ!!あははっ!!」
校長と呼ばれた幼い少女が太っている男性の髪を掴む。髪はあっさりと取れた。……ヅラだったのか……この人。
「アアアアア!!何するんですか!?校長!あれほど止めてくださいと言ったでしょう!?」
多分この人は教頭先生なのだろう。教頭先生はものすごいスピードでヅラを少女の手から取り返す。
「ぶーぶー。教頭のドケチ!つまんない!」
赤髪の幼い少女がふてくされた。本当にこの少女が校長……?いや、あり得ないだろ。