守るべきは・・・誰

☆☆結月···side



ニューヨークに来てから
毎日が活気的で
やりがいがあった。

だが、部屋に帰ると
途端に寂しさが沸いてくる

最初は、恭子さんや紬に
連絡しては
話を聞いてもらっていたが
自分で、決めたことだから
いつまでも甘えていてはいけない。
頑張るんだ····と
少しずつ連絡を減らして行った。

だが、
この人だけは、相変わらずで
でも、そんな彼に私は救われていた。

「結月、元気か?」
「支店長、毎回訊きますよね」
「毎回でもいいだろう。
元気にしてるか、心配なんだから
それに、支店長じゃないだろ?」
日本から離れたのだから
支店長じゃなくて
名前で呼ぶように言われた。
だが、中々慣れなくて······
「クスクス、はいはい。
わかりました。輝さんでした。」
「わかればよろしい。
で?変わりはないか」
「はい、かわりないです。
仕事も楽しくさせてもらっています。」
「そうか、そうか。
それは、良かった。
で?そろそろ、寂しくなっただろう?」
支店長事、輝さんは、
毎回、聞いてくる
意地でも寂しいと言わないつもりで
いたが・・・・
「・・・・う~んとですね。
少し寂しくなってきました。」
「そうか。大丈夫か?」
「まだ、大丈夫です。
頑張れます。」
と、話していると
<ブー。ブー。>
と、来客をつげるブザーがなり
「あっ、輝さん、
ブザーがなりました。
少し待って貰えますか?」
と、言って輝さんからの
返事を待たずに
「は~い」
と、出ると
「ばかっ、確認してあけろよ。」
「えっ、ええっ・・・・・
「なんだ?寂しかったんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?結月?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「おい?」
返事をしなくなり、下を向く結月が
心配になり下から覗くと
涙がポタリと下に落ちてきて
俺は、すぐさま結月を抱き締めて
「びっくりさせたか?」
と、訊ねると
結月は、首を何度も横にふる

暫く抱き締めてから
結月の顔を持ち上げて
涙を親指で拭いてやると
「・・ずるっ・・・ずるい・・ですよっ・・」
と、更にボタボタと涙が落ちる。
「たまには、いいだろ?」
「・・・たまっ・・では・・ない
わざ・・わざっ・・・ニューヨーク・・までっ・・」
「いいだろ?俺が会いたかったんだから」
と、言うと
涙を流しながら
照れて赤くなる結月に
思わず、俺はキスをしていた。

結月は、びっくりして
身体に力が入ったが
「ごめん、いきなり
だが、俺は真剣だ。
大野 結月が、好きだから。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥いや‥‥か?‥‥‥」
と、言うと・・・・・
結月は、首を横にふり
「いや‥‥じゃ‥‥な‥‥いっ‥‥‥」
と、言う結月に
「本当に?」
と、焦りながら言うと
うんうん、と頷いてくれた。
< 33 / 60 >

この作品をシェア

pagetop