守るべきは・・・誰

☆☆新転地


職場にも
心春が亡くなった事を
連絡した。
配偶者・・なの・・だから・・・・

課長と支店長が
寺の方に出向いてくれた。

そのとき、支店長より
「新たな所で
しっかり頑張りなさい。」
と、言われた。

俺も、その方が良かった。

新しいところで
誰も知らないところで
やり直したかった。

きっと支店長は
その事を分かってくれているのだと思い。
俺は、頭を下げながら
お礼を言った。

俺は、都心から程遠い
北の島へと移動が決まった。

訪れたことのない土地だが
冬には雪がふる
それがとても楽しみだった。

雪国の方には、大変なのだろうが
俺は、楽しみで仕方なかった。

銀行の寮に入ることを決めて
一度戻り、片付け引っ越しを依頼して
両親に報告すると
母は、びっくりしていたが
父は、
「仕事とは、そういうものだ。」
と、言われた。



俺は、一度・・・・
結月に会いたい願っていたが
それは·····無理だろうな、
と思っていた。


心春が書き残した
手紙は、俺宛のものと
お世話になった病院スタッフの皆様へと
書いたものと
結月宛のものがあった。

受けとることも
見てもらえることも
ないだろうと
思ってはいたが・・・・・

俺自身も結月に
一度会って
傷つけたことも
謝りたいと思っていた。

だから、結月の
会社の前で、
時間の許す限り待っていたが
会えずにいたので
三樹さんに連絡した。

三樹さんから
「結月さんは、
いま、日本にはいません。」
と、言われた。
会社の判断と結月の実績を
買われてニューヨークに
行っていると教えてもらった。

結月は、頑張っているんだ
と、思い
自分も頑張らないといけない。

そんな気持ちで
新転地へ向かい
仕事に向かいあった。
< 39 / 60 >

この作品をシェア

pagetop