エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「うん。先輩後輩というよりもそれ。だから、ですます口調は即刻禁止」
「今すぐですか?」
「はい、違反!」


智也がピピッとホイッスルを吹くような真似をする。審判にイエローカードを提示された気分だ。


「そんなぁ」
「そんなもこんなもナシ。これは俺たちが仲良くなるためのルール。わかった?」


仲良くなるためだと言われれば、由宇に異論はない。もっと彼と近づけるのなら、どんなことでもしたい気持ちでいっぱいだから。


「……わかりま、じゃなくてわかった」


ルール違反を犯しそうになり、慌てて言い換える。


「でも、たまに間違えちゃうかもしれないから、そのときは許してくだ……許してね」
「かわいいから許す」


智也はプッと吹き出してから、親指と人差し指で丸を作った。


「よかった」


智也の言うように、由宇はほんの少しだけ近づけたような気がした。

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