エリートパイロットの独占欲は新妻限定
今夜かもしれないと毎晩ドキドキして待っていたのに。
「俺が強引に結婚を勧めたから、そこは慎重にいきたかったんだ。自制の効く大人の男だと由宇に思ってもらいたかった。本音じゃ毎晩葛藤だったよ」
「そんなの言ってくれなきゃわからないのに」
思わず不満が口をついた。
智也が大人の男なのは十分知っているが、自分は自制を必要とされない女だと思っていたのだから。
「ごめん。俺ちゃんと伝えてなかったよな。悪かった」
智也の親指が由宇の涙を拭う。
「俺は由宇が好きだ。妹なんかじゃないよ」
たとえそれが、責任感から生まれた感情だとしても。妻として好きにならなきゃいけない義務だとしても。由宇はそれでよかった。
「……私も智也さんが好き」