エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「ただいま、由宇」


智也が由宇の髪にキスをひとつ落とす。


「ご飯、ちょうどできたところなの」


まさにグッドタイミング。チキンのトマト煮込みが完成したところだ。


「でもその前に」


由宇を自分から引き離し、智也の顔が近づいてくる。唇が押し当てられ、角度を変えては優しく食む。最後にチュッと音を立てて離れると、「充電完了」と智也は優しく笑った。


「俺のいない間になにか変わったことは?」
「ああ、えっと……なにもないです」


一瞬、香澄のメッセージが頭をよぎったが、わざわざ話す内容でもないと思いなおす。香澄とビーチで楽しく過ごしていたのをチクチク指摘したくない。子どもっぽいと思われるのがオチだ。


「ほんとに?」
「あ、就活で一社、一次面接通過の連絡が」
「それはめでたい。うまくいくといいな」
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