エリートパイロットの独占欲は新妻限定


智也を喜ばせたい一心で大人っぽい女性になろうとしても全部空回り。


「……私だって……私だって香澄さんみたいになりたいのに……」


綺麗で大人で色気のある女性に由宇がなれないのはわかっている。十年の月日はどうしたって埋められないのだ。


「由宇?」
「智也さんはどうして私と結婚したの? 周りにあんなに素敵な女性がたくさんいるのに。本当は香澄さんたちみたいな人の方がよかったでしょう?」


もう心の中にとどめてはおけなかった。由宇の口から心の膿がぽろぽろと流れ出ていく。


「ちょっと待て。そんなわけがないだろう」


智也が優しく宥めようとするが、由宇はバッグの中からスマートフォンを取り出し、香澄から送られてきた写真を突きつけた。


「こんなに楽しそうにしてるじゃない! フライト先で綺麗な女の人たちに囲まれてお酒を飲んだり、ビーチに行ったり」
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