エリートパイロットの独占欲は新妻限定
こんな姑息な手を使って由宇を傷つけるとは許せない。
「いいか、もう一度こんな真似をしたらただではおかないぞ」
「なっ、なによ、脅す気?」
眉を交互に動かしながら、香澄はまだ態度を改める気配すらない。
そんな彼女との間合いを一歩詰め、鋭い視線で見下ろす。
「これは脅しじゃない。本気だ」
どんな相手だろうと由宇を傷つけるヤツは徹底的に排除する。
「……ふ、ふんっ、なによ。智也が少女趣味だなんて知らなかった」
なんとでも言え。由宇の魅力は自分だけが知っていればいい。ほかの誰にも知られてなるものか。
「腕時計は返す。俺も帰るから」