エリートパイロットの独占欲は新妻限定


その肩を優しくトントンとして、由宇の挨拶も促す。


「は、はじめまして。由宇です」


二十人近くはいるだろうか。いっせいに視線を浴びて、どこを見たらいいのかわからない。まばたきを激しくしながらなんとか名乗り、ぴょこっと頭を下げた。


「かわいい」


方々からそんな声が飛ぶから恥ずかしい。


「三杉機長の娘さんなんだってね」
「はい」
「三杉機長のことは本当に残念だったよね。ここにいるパイロットみんなの憧れだったからさ」


そう言って智也の友人がずらりと並んだ同僚を指差すと、みんながそろって〝うんうん〟とうなずく。
そう言われるととても誇らしい。由宇にとっても自慢の父親だったから余計だ。


「それで由宇ちゃんは、お父さんを亡くして寂しいところにつけ込まれたわけだ」
「おいおい、妙な言いがかりはよせ」
< 68 / 160 >

この作品をシェア

pagetop