エリートパイロットの独占欲は新妻限定

「大丈夫なのか?」


安請け合いした由宇を心配して、智也がこっそり耳打ちする。


「はい。せっかくですから」


乾杯がソフトドリンクでは場の雰囲気も悪くなるし、それほど飲まなければ平気だろう。
すぐに運ばれてきたビールで乾杯し、早速口をつける。

……やっぱりにがぁい。

思わず顔をしかめて口からグラスを離した。


「飲めなければべつのを頼もうか? 俺も明日は午後からフライトだから、このあとはノンアルにするけど」


智也に提案されたが首を横に振る。ここはぐっと我慢だ。


「大丈夫です」


それを証明すべくゴクゴクと二度ほど喉を鳴らした。苦いし炭酸はキツイし、大人ぶるのはなかなかの試練である。
おつまみと一緒に食べて誤魔化そうと、チーズやサラミに手を伸ばす。
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