エリートパイロットの独占欲は新妻限定
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それからも智也との初夜はお預けのまま一週間が過ぎた、ある昼過ぎのこと。
智也からスマートフォンに入ったメッセージを読んで、由宇は「えっ!?」と飛び上がった。明日一緒にバリ島に飛ぼうと書いてあったのだ。
以前、由宇が一度行ってみたいと言っていたバリ島行きのフライトに搭乗するため、向こうで一緒に過ごそうと言う。あちらで三日間の休暇をもらったのだと。
就活試験の予定はちょうどない。すぐに【はい!】とスタンプ付きで返信して準備に取り掛かった。
いつかバリ島へ行ってみたいとは思っていたが、こんなに早く、しかも智也のフライトに一緒に乗れるなんてちょっとしたご褒美だ。
思うようにいかない就活と流れたままになっている初夜。どちらにも悶々としていたため気分転換にはもってこい。
それにもしかしたら、場所が変われば妹からきちんと妻に昇格できるかもしれない。異国の地で過ごすロマンチックな夜に手助けしてもらって、智也との距離をぐんと縮めたい。
由宇は弾む気持ちでスーツケースに荷物を詰めていった。