エリートパイロットの独占欲は新妻限定
智也は眉をピクリとさせた。
そこまでではないが、機長ではなかったと聞いて納得したのはある。上手なパイロットだったら、なんの衝撃もなくスーッと着陸するイメージだ。
「あれはわざとそうしてるんだ」
「えっ? そうなんですか?」
わざとだなんて誰が思うだろうか。静かに着陸する方がいい腕をしていると考えるのが普通ではないか。
「スムーズに着陸した場合、かなりの距離を飛行機が滑って滑走路をはみ出すこともあるんだ。そうならないように滑走路を長くすればいいんだろうけど、そうもいかないだろう?」
たしかにそうだ。すべての空港が長くとれる場所にあるわけではない。
由宇はコクコクとうなずく。
「限られた滑走路にきちんと飛行機をおさめるため、滑る距離を短くするためにあえて衝撃を与えて着陸してるんだよ」
「……そうなんだぁ」
その衝撃の加減も難しいのではないか。あまり激しすぎても、逆に優しすぎてもダメ。