腕の中の静けさは・・・

seven

シオンをあやしながら、パタパタと動き回る天音を目で追う。





「ねぇ~・・・」

「ん~・・・なぁに?」って言いながらオレの顔も見ずどこかに行った。



掃除機の音。

「日本もこういうの欲しいよね」って言いながら手際よく部屋を移動する。




オレはべつにこんなもんいらねーって思うけど・・・

日本にはなくて韓国にはあるものって結構あって・・・

んま、逆もあるんすけどね。




今、天音が言ったのは「掃除機」
このマンションはなんか各部屋の壁に掃除機が付いてる。

ホースをつなげたら掃除ができる。

ゴミはダクトからベランダにあるゴミ箱にいく。
要はコンセントや掃除機本体が要らないってこと。



「コンセント絡まらないし、重たい思いしなくていい」ってことらしい。

まぁ~オレは天音が楽ならなんでもいいんすけどね。





なぁ~んか幸せっすね。








「アッ、、パ(笑)」



「え!!!!!」







「シ、、オナ?今、なんってた?アッパって言ったすか?」

「・・・・・・・」



ニコニコ笑ってるシオン。





ジィ、、、っと見つめる。



ニコ

ニコニコ




「きゃはは、、ッパ」


!!!!!!




「あまねーーーーーーーーーーーーーー!!!」


「なぁあにぃ~~~~~」




ゲストルームから響く声。




ぁ。。。。。

昨日いっぱいシたからね、、、ベッドぐちゃぐちゃっすかね(笑)

むほほ。。




って!ちがうちがう

や、、、ちがわないけど・・・

ちがうんすよ。
いまは、そーじゃなくって


「天音ってばぁーーーーーねぇーーーーーー」




あきれたような顔をして戻ってきた。





オレの膝の上で手を大きく伸ばしてバタバタ暴れだしたシオン。

逃がすかっての。ココにいろって話。




そんなオレの気持ちをスルーして天音が意図も簡単にシオンを抱っこした。


なんでっかな・・・





「で?なによ?」


あ!思い出した!!!




「アッパって言ったんすよ!!!」


「・・・・・・・」

天音が口をギュってしてオレを見てる。





ホントっすよ?

「ホントだって!」

「・・・・・・」
「・・・・」


「・・・・・・」


「・・・」


「だっは(笑)ないない。あるわけない」

「だぁーーーーーーーなんで、ホントに言ったっすよ。言った。オレ聞いたもん」


「もんっとか言ったって、無理でしょ。シオンまだ5ヵ月なのよ?しゃべるわけないじゃない、おかしなアッパだね~~しおなぁ~~笑」


天音の腕の中で天音にあやしてもらってキャッキャ笑ってる息子くん。


「そおだ、シオナ。オンマと一緒にいこっか。笑。あっぱ、飽きちゃったって。笑」


「飽きてねーし。子守とか飽きねーよ。フツー」



ケラケラ笑いながらシオンを連れて行ってしまった。




なんで信じない。
アッパって言った。確かに言った。




いや!ぜったい言った!



あ!ヤキモチっすか?










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