腕の中の静けさは・・・
鏡に映ったオレは目が真っ赤で情けない。

「これじゃ、、明日顔腫れるっすよね・・・」





何度も何度も冷水で顔を洗う。




でも洗った先からあふれ出す涙はやっぱり止まってくれない・・・

「くっそ!!なにやってんだオレ!!しっかりしろ!!」








頃合を見て電話をした。






【まったくあなたって子は!!】っていい年して怒られてるオレ。





【子供たちは?】



【学校へ行ったわよ】

【そ、、ありがと】




【で、どうなの?支社長さんから少しは聞いてるけど・・・】




【ん、、かなりひどいのかな。今は顔も腫れていて天音って思えない・・・自発呼吸もちょっとムリみたいでさ、、、身体も熱いし、、、機械がいっぱい身体についてる。】




【会えたの?】

【ん、ガリルがお願いしてくれたみたいで中に入れた。息してた、、生きてた、、、ん、、、お腹の子も無事で、、あ、、そうなんだ。妊娠してて、、、】

【ん、それも聞いたわ。驚いたけど、ココのところのあの子の様子でそうかなとは思っていたけど、、、】




【そっか。。さすがだね。笑】

【食事はしてるんでしょうね?】

【うん、食べてるよ。】

【今どこなの?病院?】

【や、家。とりあえず寝ろってガリルがさ、、】

【そうね。病院に居てもあなたに出来ることはないしね。(笑)】

【ん、そー言われた】

【ふふ。笑。まったく、天音ちゃんに怒られるわよ。しっかりしなさいって】





【ん、、、そーっすよね、、、】

【もう眠れるの?】


【ん、シャワーもして歯も磨いた】

【(笑)、、、何言い出すのよ。ま、いいわ。いい子ね。早く寝なさい。で、明日笑顔であの子に会いなさい。いい?笑顔見せてあげなさい。泣き顔なんて見せるんじゃないわよ?わかった?】




【ん、、、わかった。子供たちのこと頼みます。アボジにも伝えて】

【わかったわ。こっちのことは心配しないで、しっかりね。おやすみなさいユソナ】

【おやすみ、オンマ】







ベッドにもぐりこむ。

ふわっと落ちる布団から香る空気を思いっきり吸い込むと
気持ちがすぅーっと落ち着いてゆくのを感じた。






布団と枕を抱きしめると一層強く感じるオレの大切な人の香り・・・

「天音、、、おやすみ」









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