腕の中の静けさは・・・
昨日はわからなかったけど少し街並みが変わったソウル。


高いビルが増えた気がする。


病院に入る手前でスマホがなった。





【ユフナ。どうした?】

【どうしたじゃないよ!今どこ?】

【え、、あ、、っと・・・】

【もう知ってる。オレ今ソウルだから】

【は?わざわざ?】

【違うよ。仕事で行くから何かあるって連絡したらオンマが、、なんで知らせないんだよ!】

【ああ、、わるいわるい。ごめんな。仕事、
【あ、いた】


後ろから声が聞こえて振り向くとすっげぇー怒った顔のユフンが立っていた。





「こっちでショーでもあるのか?」

「そ、でも今回は衣装合わせ」


会話をしながら歩き出す。


ふたりでガラス越しの天音を見つめる。






「どうなの?」

「ん、、意識戻らないから今のところ何ともいえないけど、、」





「・・・・・・・」


「意識戻っても歩けないって言われてる」

「ぇ、、、、」

「でも、生きてるから。生きてるってことだけで、、それだけでさ」

「うん。そうだね。大丈夫、、、、絶対に大丈夫だから、、ヒョン」




ユフンが力強く抱きしめてくれる。







「オマエ昼飯食ったのか?」

「あ、打ち合わせしながら皆と食べることになってる」

「そっか。じゃ、もう行けよ。わるかったな心配掛けて。」

「なにいってんだよ。あたりまえだろ」

「ん、ありがとな」

「また電話する。」

「ん、がんばれよ」



ユフンの後姿を見送って戻ると部屋が少し慌しくてドキドキする。

すれ違う看護師さんの腕を掴んだ。




「アマ、、妻どうかしたんですか!」

「あ、ご主人。」









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