愛され女子の激甘コレクション
ホテルの部屋の入り口で、待ちきれないとばかりに唇が近づいてくる。

今日の私は彼にとって見知らぬ女。
出会ったばかりの女の子と、平気でこういう事をする人だとはわかっていたけれど、今までいろんな女を抱いてきたんだと思うと、嫉妬心が渦巻く。

彼にとって私は、特別だったかもしれない。
だけど決して……女じゃなかった。

内心の動揺が現れて小刻みに震える。
不審な動きをしてばれたら元も子もないから、慣れたふりをしてちゅっと音を立てる。

タバコの匂いのキスは、背徳的な味がした。

経験浅は隠して舌を絡め、唇を吸う。 誰に教えてもらったわけでもないのにどうすれば気持ちいいのか解る。

「ミナミちゃん……いつもこんなことしてんの……」

答えない私は首の後ろに腕を回されて、より深いキスになる。
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