日本一のヤクザ幹部は、本当は私を溺愛している。
如月組

「おかえりなさい」


如月組の最年少幹部。
鹿妻 悠月様が車から降りてこられる。


「あぁ、様子は?」


「変わりありません。
今日はこの後妃瀬(ひとせ)組
妃瀬 宏輝(こうき)様とのお食事です。」


「.....服装を着替える。」


「かしこまりました。」


いつもよりは軽い軽装で
俺達には教えて貰えない方に会いに行かれる。


鹿妻様が部屋にはいられると
周辺警護の1人が近づいてくる。


「あんな女に毎週会いに行って、
なーにが楽しーんすかね?」


「無駄口を叩くな颯馬(そうま)」


「へーへー、瀬谷(せや)さんは
そればっかっすね」


「うるさい」


ギロりと睨むと肩をくすめるだけに終わる。


「確かにくっそ美人っすけど
何もなさそうな一般人すけどね」


「何か考えがあるのかも知れないだろ。」


「妃瀬組に気に入られる様な理由が?」


「口を慎め」


「みーんな言ってますよ。
妃瀬組に尻尾振るだけの無能って」


「黙れ」


「っ、ま、俺はあんたに拾われたんで
あんたに従うだけっすけどね」


それだけ言うと颯馬は俺の目の前を通って
反対側の襖の前に立つ。


チッ、あいつの無駄口の癖を直させないと


彼は、


鹿妻 悠月は、
見た目以上に冷酷なのだから。
< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop