例えば、こんな始まり方
「・・・お友達?」

私は純一をうかがうように言った。

「学生時代からの親友でね、悠翔って言うんだ」

「私・・・純一くんに捨てられないよね?」

私はふいに不安になって言った。

私を安心させるように、

「僕は、君を捨てない・・・って言うか、僕が拾われたんだっけ」

純一は笑った。

「例えば、こんな始まり方があってもいいよな?」

ぎゅっ・・・真由は純一に抱きついて

「抱いて・・・」

とささやいた。

「いいの・・・?僕は、そうしたいけど、まだ、早いかな、って」

私は何も言わずに、そっと純一にキスした。そして、強く抱きしめた。

「忘れられない夜にしてやる・・・!」

純一は、私を抱き上げて、ベッドに連れて行った。

「愛してる・・・」

2人の忘れられない夜は、遅くまで続いた。

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