堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「俺は何年も住んでいたからね。必要に迫られればきみだって……そうだ、まだ名前を聞いていなかったな」
「神谷瑠璃です」
「瑠璃。きみに似合う、かわいい名だな」
美しい微笑みを浮かべて自然と褒め言葉を口にする彼に、頬が熱くなった。
お、お世辞お世辞……。ウィーンに何年も住んでいたというし、彼の感覚がちょっと欧米風なだけだ。
「俺は京極志門だ。志門でいい」
「志門さん……?」
言われるがままに呼びかけると、彼は穏やかに目を細めて「うん」と頷いた。
「それと、失礼でなければ年齢を聞いてもいいかな」
「二十二になりました。大学四年です」
「じゃあ、俺とはちょうど十歳差だな」
「……十歳差」
ということは、彼にとっては私なんてただの子どもなんだろうな。私は背だって低いし、居酒屋で年齢確認をされることもしばしばあるほど、顔立ちも幼い。
さっき彼が放った『かわいい』発言も、そういう意味だったのかも。
ひとり納得していると、志門さんはさらに質問を重ねる。