堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 翌朝七時前に目を覚ますと、ベッドに志門さんの姿はなく、彼が隣で寝ていた形跡もなかった。同じ階の書斎も覗いたけれど、そこにもいない。

 まさか、帰って来てない……? 事故にでも遭った?

 不安になって一階に下りたらリビングの明かりが点いていたので、「志門さん?」と呼びかけながら、静かにドアを開ける。

 返事はなかったが、リビングの一人掛けソファで、ひじ掛けに頬杖を突いて眠っている彼を見つけて、私はひとまずホッとした。

 シャツのボタンを上から三つも開け、長い間同じ姿勢で寝ていたのか、スラックスにはしわが寄っている、少々だらしない姿。

 テーブルの上に置かれたブランデーの瓶とグラスを見る限り、ひとりでお酒を飲んでいたようだ。固く目を閉じた彼の眉間は険しく寄せられていて、どこか疲れた様子にも見える。

 このまま寝かせておいてあげたいけど……彼は今日から出張だったはず。お風呂も入っていなさそうだし、早めに起こした方がいいよね。

「志門さん、七時です。起きてください」

< 165 / 226 >

この作品をシェア

pagetop