堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「志門さん? ねえ、志門さん?」
こわごわその体を揺すって気付く。彼が頭を置く地面に、真っ赤な血だまりができていることに。大声で叫びそうになった口元を手で押さえ、私はそばに落ちていた自分のスマホに必死で手を伸ばす。
「き……救急車……」
画面は派手に割れていたが、電話はつながった。私はパニックになりながらなんとか居場所と状況を伝え、救急車が到着するまでずっと鳥居の下で志門さんの手を握り、彼の無事を神様に祈り続けた。
病院に搬送された志門さんはすぐさま集中治療室に収容され、通路のベンチに取り残された私は彼のご両親に連絡するくらいしかできることがなかった。
三十分ほどで駆けつけたご両親に「どうしてこんなことに?」と聞かれたが、神社で起きた出来事を説明しようとすると体が小刻みに震え、呼吸が苦しくなった。
「瑠璃さん、あなたも怖い目にあったのね……?」
お母様が隣に座り、私の背中を優しくさする。それでも呼吸は落ち着かず、むしろ本格的に過呼吸に陥ってきてしまった私を見て、お父様が慌てて看護師を呼んだ。