堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 木の温もりがあふれるリビングでお茶を頂きながら、立派な口ひげをたくわえたお祖父さまが、家について話しだす。

「この家を建てるとき、エリーザが色々とワガママだから苦労したよ」
「よく言うわ。〝きみのためならどんな家だって建ててやる〟と、最初にカッコつけたのはあなたよ」

 志門さんと同じ、美しい薄茶色の瞳をしたお祖母さまがツンとして反論する。

「ああ、そうだったな。でも仕方ないだろう、あのパティシエに負けないようにと必死だったんだ」

 志門さんから聞かされていた通り、彼らは自分たちが出会った頃の話をするのが大好きなようだ。だけど、〝エリーザ〟に〝パティシエ〟って、これは偶然なのだろうか。

 膝に翔音を抱っこしながら、私は思わず口をはさんでいた。

「あの、今はお休みしているんですけど、私がずっと働かせてもらっている洋菓子店……エリーザって名前なんです。偶然ですね」

 するとお祖父さまとお祖母さまは顔を見合わせ、お祖母さまが悪戯っぽく瞳を輝かせて言った。

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