堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
あの時ひと目惚れしたグレイッシュピンクのロングイブニングドレスは、幸い私の体にまだフィットしてくれた。
もともと私服はカジュアルだし、翔音を生んでからはさらに女性らしいファッションからは遠ざかっていたので、久々にドレスを纏うとなんだかドキドキする。
志門さん、気に入ってくれるかな……。
胸を高鳴らせつつドレスアップが完了し、ソフィーの協力でメイクと髪もすっかりパーティー仕様になった。その時ちょうどドアがノックされ、「瑠璃、支度は済んだ?」と尋ねる志門さんの声がした。
ドレス姿を彼に見せるのが気恥ずかしくて、まだ舞踏会には早いのに、私は思わず目元を隠すマスクを着けた。ソフィーはそんな私にクスッと笑みをこぼして言う。
「じゃ、邪魔ものは退散するわね。ルリ、どうか素敵な夜を」
「ありがとう、ソフィー」
ソフィーがドアを開けて出て行くと、入れ替わるようにして志門さんが入ってきた。長身に映えるブラックのタキシードが、いつにも増して彼を王子様のように見せている。