堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 だけど、私の方は彼の目にどう映っているのかな……?

 おずおずと、マスク越しに彼の表情を窺ったその時だ。

 私をとらえる薄茶色の瞳が大きく見開かれ、彼は息を呑んで沈黙する。そして数秒ののち、彼の瞳からひと筋の涙がゆっくり頬を伝って流れ落ちた。

「志門さん?」

 どうして、涙なんて……。呆然と立ち尽くす私の耳に、彼の呟きが聞こえる。

「そう、あの夜……。ホールには大勢の人がいたのに、きみだけが輝いて見えたんだ。仮面をつけていても、すぐにわかった」
「えっ……?」

 それって、初めて出会った日のことを言っているの……?

 まさか、彼、記憶が――。

「……やっと、見つけた」

 私の思いを肯定するかのように、彼は涙を浮かべたままでそう言った。それから堪え切れなくなったように駆け寄ってきて、ギュッと私を抱きしめる。

「ごめん、瑠璃……長い間、待たせてしまったな」

 悲痛な声が耳元で震え、私の視界もあふれんばかりの涙で揺らめいた。
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