堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
男性側がそんなことを企てるのは不可能じゃないだろうか。そう思って彼の顔を覗くと、志門さんは美しい笑みを浮かべて告げる。
「あの夜、避妊するということが頭をよぎらなかったわけじゃない。でも、俺は無視した。瑠璃に俺の子を生んでほしいと、本能的に思っていたのだと思う。もちろん、妊娠してもしなくても、あたり前のように結婚するつもりだったし、瑠璃を絶対に手放すつもりもなかった。……にもかかわらず、メモと名刺だけを残して去ったのは、今でも失敗したと思うけどね」
志門さんが気まずそうに自嘲し、それから真面目な顔に戻って続ける。
「しかし、その発言が逆に友里恵を刺激してしまったらしい。神社の石段から突き落とされたあの日……出張から帰る途中に電話があったんだ。瑠璃のことを誤解していて申し訳なかった。彼女とも友達になりたいから、連絡先を教えてくれないかって」
なるほど。友里恵さんはそんなふうに改心したふりをして、私の電話番号を志門さんから聞き出したんだ。あの事件の不可解だった部分が、どんどん明らかになっていく。