堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
そんなことあるはずないと思う反面、それが彼の本心であってほしいと願ってしまう自分がいた。
それはなぜか……気づいてしまえば簡単なこと。
私自身が、今日知り合ったばかりの十歳も年上の彼に。嘘みたいに、惹かれているんだ――。
自分の気持ちに確信を持つと、切なくて胸がきゅっと締めつけられた。
だって……志門さんと私とじゃ、釣り合わなすぎる。なにもかもが洗練されている大人の彼から舞踏会に誘われたって、私はそれに相応しい服も、相応しいマナーや振る舞いも持ち合わせていないんだもの。
下唇を噛みしめてなにも話さない私に、志門さんがしびれを切らしたように問いかける。
「俺の気持ちは、迷惑?」
「……いいえ」
迷惑なわけがない。本当は胸がつぶれそうなほど、うれしい。だけど……。
「だったら舞踏会に――」
「行けません、私……。ドレスだってないし、ダンスの経験もない。参加したって、志門さんに恥をかかせてしまうだけです」