堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
悲しいけれど、この誘いはお断りしなければ。無理やりに笑顔を作って、志門さんの薄茶色の瞳を見つめる。
しかし彼はスラックスのポケットから財布を取り出すと、そこから500ユーロ紙幣を十数枚出し、私の手に無理やり握らせた。
「この街には舞踏会用のドレスを扱う店がいくつもあるから、ドレスも靴も仮面も、これで調達すればいい。ダンスなら俺がリードする。……それで問題ないだろう?」
「志門さん……。だからってこんな大金、受け取れません!」
お金をつき返そうとするが、その手を包み込むように握られて、彼の切なげな瞳と視線が絡む。
「お願いだ、瑠璃。きみが舞踏会に来て、そして、仮面をつけている大勢の女性の中から俺がきみを見つけ出したら……恋人になってほしい」
切実な声音で懇願され、ぎゅう、と胸が苦しくなった。
嘘や冗談とは思えない。志門さんは、本当に私のことを……?
まだ完全に信じ切れたわけじゃない。でも、彼が宣言通り、仮面で顔を隠した私を見つけてくれたなら、その時はきっと――。