堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「……わかりました。私、行きます」
「瑠璃……ありがとう」
心底ほっとしたような彼の微笑みに、胸がトクンと優しい音を奏でる。志門さんは握った私の手を優しく引き寄せ、その指先に軽くキスをした。
「後で会えるのを楽しみにしているよ」
「はい……また、後で」
彼の背中を見送りながら、ジンと熱く痺れる指先をそっと胸に抱く。
こんなにロマンティックな街で出会って、めくるめく楽しいデートをして、別れ際に王宮での舞踏会に誘われるなんて、幼い頃に憧れた童話の世界に入ってしまったみたい。
志門さんは、私に夢を見せてくれているだけ……? 私、なにも知らない子どもだから、本気にしてしまうよ。あなたはきっと私を見つけてくれるって、期待してしまうよ。
否応なく加速する想いに息苦しささえ感じながらも、私は舞踏会に着ていく衣装を探すために歩き出した。
まずは、街で最も賑やかなケルントナー通りに面した、ガラス張りのドレスショップを覗いた。日本のアパレルショップと相違ないような気軽に入れるお店で、購入もできるけれど、レンタルならリーズナブルに、しかも当日すぐドレスを着ることができるのだという。
私のようなビギナーにぴったりだと思いつつも、ひと通り店内を一周しても、これだと思えるドレスが見つからなかった。