堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「わぁ……」
店内に一歩足を踏み入れただけで、胸がときめいた。外観と同じくパステル調の色を使った壁紙や、白く塗られた木製の枠にピンクの布が張られた椅子、アンティークの飾り棚。それらのインテリアの中に、色とりどりのドレスや靴、バッグ、アクセサリーが、展示品のように並んでいる。
子どもの頃に想像していた、お姫様の衣裳部屋って感じ……。ゆっくり店内に足を進めながら、その独特の雰囲気に胸の高鳴りを覚えていたその時。
「……あら? また会ったわね、お嬢さん」
「えっ?」
聞き覚えのある女性の声に振り向くと、昼間美術館のカフェで会った、車いすの老婦人が優しい笑みを浮かべてそこにいた。
「ドレスを探しているの?」
私は驚きに目を見開きつつ、素直に頷く。
「はい、そうなんです……。今夜、仮面舞踏会に誘われていて」
「まぁ、それは楽しみね! ドレスもマスクも一緒に選んであげるわ!」
青い瞳を少女のように輝かせ、女性が私の近くまでやってくる。
「いえ、そんな……ご迷惑でしょう?」
「なにを言っているの。ここは私の店よ? お客さんと一緒に悩むのは当たり前のこと」
そう言って悪戯っぽくウィンクした女性に、私はますます驚いた。
ここ、この人のお店だったんだ……。すごい偶然……。