堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
自分は場違いなのではないかとドキドキしながら、やがて会場である広々としたホールに到着した。入り口の手前で仮面をつけ、人波に流されるように入場するなり、オーケストラの演奏が耳に飛び込む。会場の一角で生演奏しているのだ。
「すごすぎる……」
高い天井、まばゆく煌めくシャンデリア、立派な円柱型の柱……ホールの一番奥には、赤いじゅうたんの敷かれた小さな階段があり、その先の玉座のようなスペースに、誰も座っていない椅子が一脚置いてあった。
あそこには誰が座るんだろう……。王様、なわけはないから、この舞踏会の主催者だろうか。そんなことを考えているうちに、さらに人が増えてきた。
見渡す限り、仮面をつけた人、人、人。ホールを囲むように設置されたテーブル席には、軽い食事やシャンパンなどのお酒も用意されているようだ。
志門さんは『婚活パーティーのようなもの』だなんて話していたけれど、想像を絶する規模と豪華さに、段々居たたまれなくなってくる。
やっぱり、いくら見た目を取り繕ったところで、私のような貧乏学生が参加していいものじゃないんじゃない?
それに、この人の多さだ。いくら志門さんが頑張って捜してくれても、もともと身長の低い私はすぐに人の陰に隠れて、見えなくなるだろう。