堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
次第に笑顔が出てきた私を見て、志門さんは踊りを続けたままで言う。
「瑠璃。約束はちゃんと覚えている?」
「えっ……? 約束、ですか?」
「その反応……さては忘れているな?」
少し意地悪な口調で問われて、私はその場でくるっと回りつつ急に焦りだした。
そういえば、私は何でこんな場所でくるくる回っているんだっけ? 志門さんと再会できてからは夢見心地で、なにも考えず踊りに夢中だったけれど――。
しばらく経つとオーケストラの演奏が止み、志門さんはそっと私の体を離す。キョロキョロ辺りを見ると、仮面をつけた周囲の男女ペアは互いに一礼して別れ、また違うパートナーと手を取り合っていた。
……そういえば、この舞踏会は婚活パーティーとしての一面もあるんだっけ。
思い返しているうちに、次の曲の演奏が始まった。周囲の人々がそろって再び踊りだす。
しかし、志門さんは音楽もダンスも無視して急に私を抱き寄せると、耳元に唇を近づけ、吐息混じりに囁いた。