堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
「瑠璃ちゃん?」
「ごめんなさい、気分が……」
心配そうにこちらを見つめる上尾さんにそれだけ告げると、私はバタバタと休憩室を出て、トイレに駆け込んだ。
しかし、水分を取る以外はほとんど食べ物を口にしていないので、戻したくてもなにも出てこない。胃がむかむかする不快感だけが残った。
「瑠璃ちゃん! 大丈夫!?」
ドアの外から上尾さんが声をかけてくる。私はゆらりと立ち上がり、トイレから出た。
「大丈夫? 出すもの出せた?」
「いえ、なにも出てこなくて……。すみません、今日は帰らせてもらってもいいでしょうか……」
上尾さんになんとかそれだけ伝えると、彼女は神妙な顔でうんうん頷く。
「もちろんだよ。でも、ひとりじゃ心配だから世良さんに送ってもらおう?」
「いえ、そんな……」
「ちょっと待ってて。呼んでくるから!」
私が引き留める間もなく上尾さんは休憩室に戻っていき、一分も経たないうちに世良さんが私のもとにやってきた。
「世良さん。あの……」
「無理して喋るな。タクシーで送るから、来るまで休憩室のソファで横になっていろ」
真剣な声音で諭されて、申し訳なく思いながらも頷いた。