堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~

 世良さん、頼もしいな。もしもお父さんがいたらこんな感じだろうか。なんて、世良さんって志門さんと同じくらいの年だろうし、失礼か……って。

 また志門さんのこと考えてる……私のばか。

 休憩室のソファにごろんと寝転がると、涙が出た。

 泣いたってしょうがないのに……自分の力で乗り越えるしかないのに……職場にまで迷惑をかけて、なにをやっているんだろう。

 体調不良と自己嫌悪でしくしくすすり泣いているうちに、世良さんが再び休憩室にやってきた。

「タクシーが来た。神谷、立てるか?」
「……っ、はい……」

 慌てて立ち上がり、泣き顔を隠すようにうつむいて、指先で目元を拭う。

「荷物は上尾がまとめてくれたが、これだけでいいのか?」
「はい、大丈夫です」

 いつも使っているリュックと、私の着てきた私服を紙袋に入れてくれてあった。世良さんからそれを受け取ろうと手を出したけれど、彼はそれを無視して私に背を向ける。

 持ってくれるということなのだろう。無言の優しさに感謝しながら彼の後について店を出て、一緒にタクシーに乗った。

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