堕とされて、愛を孕む~極上御曹司の求愛の証を身ごもりました~
病院に搬送されるまでの間に、救急隊員から車内で一連の経緯を説明された。
瑠璃はアルバイトの最中に貧血を起こして失神し、意識はすぐに取り戻したものの歩けないほどに衰弱していて、また倒れた際に全身を強く打っていることもあり、救急車を呼ぶに至ったそうだ。
ひと月前はあんなに元気そうだったのに、どうして……。
俺はすぐそばに横たわったままの瑠璃の手をぎゅっと握り、薄くまぶたをあけてぼうっと宙を眺める彼女を切なく見つめる。
「志門さん……」
その時、微かな声で瑠璃に呼びかけられ、ゆっくりこちらを向いた彼女の瞳と目が合った。
「ん? どうした?」
「また……見つけてくれたんですね。私のこと……」
力なくも、ふわっと頬を緩めたその笑顔に、胸が痛いほど締めつけられた。
今まで、彼女がどうして連絡をくれなかったのかはわからない。しかし、俺ばかりが彼女に恋焦がれていたわけではなく、彼女も同じくらい俺を想ってくれていたのだということだけは、ひしひしと伝わった。
「ああ。言っただろう? どこにいたってきみを見つけると」
まっすぐに彼女を見つめて告げると、瑠璃は瞳に涙を浮かべてゆっくり一度頷いた。