世界No.1の総長と一輪の花 ホワイトデー特別編
次に花莉が足を止めたのは、小さな犬のぬいぐるみがたくさん入ったクレーンゲームの前。
その小さなぬいぐるみには、ボールチェーンがついているから、ぬいぐるみというよりはたぶんキーホルダー。
つーかこれって……
さっき俺が取った犬の色違い?
クレーンゲームの中にある景品は、耳が垂れた黒の犬。
さっきのところには茶色の犬と、猫が混ざってあったんだけど、こっちには垂れ耳の黒の犬しかいない。
「しゆくんの仲間が…っ!!」
花莉はガラスにはりついて、中に入った景品を見つめる。
「取ろうか?」
後ろから声をかけると、花莉はすぐに
「自分で取る…っ!!」
と言って、折りたたみのピンクのお財布をショルダーバッグの中から出した。
100円玉を機械に投入して、花莉はぎこちない手つきでレバーを動かす。その表情はすげぇ真剣で……
すごく欲しいんだと思う。