転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
文化祭で販売する魔法薬箱に入れる薬を量産しつつ、闇魔法使いについての調査も続けていた。とは言っても、大半はローデンヴァルト先生が進めているのだけれど。

今日は国立図書館の奥にある、貸し出しされていない闇魔法使いについての本を読んでいた。

この部屋にある本は通常、自由に閲覧できない。一部の貴族にのみ、許されている。フロレンツィアのコネを使って、読ませてもらっているのだ。

二千冊ほどある貸し出し禁止本の中で、闇魔法に関する本はたった三冊しかなかった。それぞれ一冊ずつ手に取り、内容を調べる。

「ニコラのはどう?」

「うーん。これは、闇魔法使いに殺された遺族が書かれた、被害者がどういう人物だったかという内容みたいです」

「そう。フロレンツィアは?」

「古代語であまり読めないのですが、どうやら闇魔法がどれだけ偉大かという内容のようですわ」

三冊中、二冊がまったく役に立たない内容だったようだ。
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