転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
◇◇◇

母は愛人のところに行っているようで、家にいたのは父ひとりだけだった。いきなりローデンヴァルト先生を連れてきたので、びっくりしていた。

ローデンヴァルト先生と父と共に食卓を囲んでいると、妙な気持ちになる。若干の気まずさを覚えていた。だが、私以上に緊張の面持ちを浮かべている者がいた。父だ。

いつもは威厳たっぷりな父でも、国家魔法薬師であるローデンヴァルト先生の前だとソワソワ落ち着かないようだ。

一応、ローデンヴァルト先生は父に突然の訪問を詫びていた。

「いや、貴殿とは、一度話をしたいと思っていた。気にするな」

父はあんなにもローデンヴァルト先生と話をしたいと言っていたのに、まったく話しかけようとしない。先ほどから、メインのお肉を食べつつお酒をごくごく飲むばかりだ。

一方で、ローデンヴァルト先生もどんどんお酒を飲んでいた。ふたりとも、こんなに酒好きだったのか。

結局まともに会話もしないまま、食後の紅茶が運ばれてきた。父は紅茶を冷まさずに飲んでしまい、「熱っ!!」と悲鳴を上げている。いったい、何をしているというのか。ローデンヴァルト先生は四つ目の角砂糖を落としているところを見てしまった。大丈夫なのかと観察していたら、一口飲んで「甘っ!!」と言って顔を盛大に顰めていた。
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