転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「グレーテ、お前の番だ」

「私は、ローデンヴァルト先生のあとでいい」

「つべこべ言わずに行け!」

私が行く前に、モフタロウが井戸の中へと飛び込んだ。

「ちょっ、モフタロウ!」

すぐに、下から『がう!』という鳴き声が聞こえた。そこまで深くないと言っているようだが……。

「早く行け。フロレンツィア・フォン・ヘルフェリヒが待っている」

「わ、わかった」

そうだ。フロレンツィアが待っている。怖がっている場合ではない。

腹を括ってロープを握り、井戸の石を足場にしながらどんどん下りていく。

内部はじめっとしていて、石には苔が生えていた。危うく、足を滑らせそうになってヒヤッとしたのは一度や二度ではない。

なんとか下りきったら、健闘を称えるようにニコラがぎゅっと抱きしめてくれた。
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