転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「実は、すべてが終わったら、眠りに就こうと思っていた」

ローデンヴァルト先生の言葉に、ぎょっとする。眠りというのは、ただ眠るという意味ではない。死ぬ、という意味だ。

「復讐を果たしたあとに、生きる意味はない。そう考えていた。しかし――」

ローデンヴァルト先生は淡く微笑み、私の頬に手を添える。カッと、顔が熱くなってしまった。

「俺は、人生の楽しみを、見つけてしまった。先生として、最後まで生徒の面倒も、見ないといけない」

そうだ。先生を辞めたあとも、私は世話になるつもりでいる。生きる理由を見つけてくれたのは、嬉しいことだ。

「でも、この先絶対に無茶はしないで。私を庇うのも、禁止」

「庇っていなかったら、お前は今頃丸焦げだっただろうが」

「それは、そうだったかもしれないけれど」

ローデンヴァルト先生が着ていた外套は、最高品質の魔法防御力があったらしい。それでも、背中はドロドロに焼け爛れていた。

火傷を治す魔法薬を持っていて、本当によかった。火傷を負っていたままでは、学園長と対峙しても勝てなかっただろう。

ふと、当時の記憶を思い出し、今になって照れてしまう。私は口移しで、ローデンヴァルト先生に魔法薬を飲ませたのだ。

「どうした?」

「な、何でもない!」

お見舞いの花とお菓子をローデンヴァルト先生に押しつけ、回れ右をする。

「ニコラやフロレンツィアと一緒に、待っているから」

「ああ」

ローデンヴァルト先生の病室をあとにする。元気になったら、教壇に立ってくれるだろう。
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