転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
そんなことを話している間に、クッキーが焼き上がったようだ。談話室に移動するよう、鼠妖精に促される。

談話室は大きな暖炉があり、魔石灯の灯りが温かく照らす過ごしやすそうな部屋であった。大人数が使うのを想定しているからか、無駄に広いが。

アルノルト・ローデンヴァルトはどっかりと腰掛け、不思議そうに立ったままの私を見つめていた。

「立っているのが、好きなのか?」

「いいえ。生徒は、先生の許可なしに座ってはいけないと言われているので」

「では、その制度を今から廃止する。座りたいときに、勝手に座れ」

ポカンとしていたら、訝しげな目で見られた。

「やはり、立っているのが好きなのではないか」

「いいえ。好きな人はいないかと」

そう言って、遠慮なく腰掛ける。革張りの長椅子は張りがあるが、体重をかけた際にギシリと大きな音が鳴った。
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