転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
あろうことか、ヴォルフガング殿下はお付きに私を追うように命じた。「待て!」と、背後から呼び止められる。

ニコラはポロポロ涙を流し、フロレンツィアは止まる気はさらさらないようだった。つまり、逃げ切らなければいけないのだろう。

誰か助けてくれと心の中で叫んだが、そうそうヒーローなんて現れない。

追いつかれそうになったが、モフタロウが吠えて威嚇(いかく)してくれた。

『がうっ、がうっ!! ぐうるるる!!』

「うわぁ!」

「なんだ、こいつ!」

モフタロウが睨みを利かせている間に、“魔法薬学科”の校舎行きの馬車がやってきた。

「フロレンツィア、ニコラ、あの馬車に乗り込んで!」

「ええ」

「わ、わかりました」

馬車が停まったのと同時に、扉を開いて乗り込む。御者に向かって「すぐに出発して!」と命じた。

モフタロウが乗り込むのを最後に、扉が閉められる。もう一度、窓から顔を出し、「早く出て!」と叫んだ。
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