転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「わたくしは、母を、亡くしてしまいましたの」

たしかヘルフェリヒ公爵夫人は、国王の妹だったような。

そしてローデンヴァルト先生も、十年前の事件で、家族を殺されてしまった。

「だからと言って、どうしようもないかもしれませんが――」

「もう、終わった事件ですわ。犯人も、死刑となりましたし」

「いいや、終わりではない」

「どういうことですの?」

「それは――」

ローデンヴァルト先生はぶんぶんと首を横に振り、唇をきゅっと結んだ。ここで、それを言うつもりはないのだろう。

「言いかけるなんて。余計に気になりますわ」

「で、ですね」

大人の事情なのだろう。その辺は、無理矢理聞きだそうとしても話してくれるものではない。
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